上高地一泊ツーリングで、信州ビーナスラインの和田峠にて。
この姿は、X-Elevenでの典型的な一泊ツーリングの積載姿です。
この状態で車重は250kgを超えますが、走り出してしまえばあふれる駆動力で身軽でした。
ただし油断は禁物。
走行中の転倒(公道ではなくコース上ですが。)も経験しましたし、押しゴケ(車体を押していて倒してしまう。)も幾度か経験しました。
その甲斐あってか、今でも250kgまでの単車なら、なんとか起こせる自信がございます。(汗)
なおご覧のとおり、途中でラジエーターの覆いを青く塗りました。
シャンパンゴールドの骨組みにレッド&ブルーの車体で、カクテルのCINZANO(チンザノ)を模したつもりでした。
X-Elevenでのツーリングは、ツーリングレポートに詳しく記させていただきました。
再び話はわき道にそれますが、X-Elevenは自宅のバイク置き場で盗難未遂に遭ったことがありました。
2002〜2003年当時は大型バイクの盗難が社会現象になるほど頻繁だった頃。
僕も対策として、伊製の防犯アラームを装備していましたが、それが奏功。
大音量のサイレンを鳴らす愛機を置いたまま、犯人にはお帰りいただいたことがありました。
結局このときの犯人は捕まらず、近所で盗まれた車両のほうは戻ってきませんでした。
さらに話はわき道にそれますが、防犯アラームは抑止効果(犯行を最後までやりとげさせない)があって結構なものなんですが、待機モードで、けっこう電気を食います。
ライディングスクール中に、バッテリーが上がり気味になってあわてたことも度々でした。
充電器でこまめに補充電するクセがついたのは、防犯アラームのおかげでもあります。
さてX-Elevenで何といっても思い出深いのは、XEOS(X-Elevenのワンオーナーズ倶楽部)での、他のオーナーとの交流の楽しさでした。
同じ車種を愛するもの同士の倶楽部は、モータリング先進国である英国では紳士の趣味として、立派な位置づけにあります。
会員になると消耗部品や改善策の情報を共有できるので、モノを直しながら長く使う英国人には、欠かせない文化なのかもしれません。
そして何より面白いのは、傑作車や高性能車のみならず、いやむしろ珍車や失敗作、デザインが醜悪な車のオーナーズ倶楽部のほうが、活動も熱心で盛り上がっていることです。
僕も若い頃から、こんなワンオーナーズ倶楽部を、いつか体験してみたいと思っていました。
X-Elevenは旧車ではありませんが、生産台数も少なく珍車なので、その資格あり、です。
かくしてXEOSでの交流は、とても楽しいものでした。
オーナーの皆さんも全国にわたっていて、そのお仕事も多種多様で、趣味もさまざま。
またHONDAの関係者の方もおられ、興味深い情報も聞かせてもらいました。
仕事とは違った語らいに、いつもフレッシュな気持ちにさせていただきました。
僕から有志の皆さんに声をかけて、本州のオーナーを対象とした全国ミーティング(2003年6月に信州で。参加17名)を開催したことも、楽しい思い出です。
開催日の寸前に僕の父が急逝し、喪主である僕は参加できませんでしたが、プロデュースする楽しさを味わうことができました。(父は単車に反対していたこともあり、偶然とはいえ父の反骨を感じたことも確かです。)
ともあれ、XEOSのことは格別な思い出です。
そしてこのHONDAのX-Eleven も、2年間を楽しんだのちに乗り換えることになります。
乗り換えの主因は、その車重(222kg)が身体にしんどくなってきたからです。
旅先で、その取り回しに苦労するようになりました。
観光地の駐車場って、意外に傾斜していることが多いんです。
またX-Elevenはステムの位置が高く、これは運動性能にはプラスですが押し歩きにはマイナス。
重心が高いために、一度バランスを崩すと立て直すのは大変でした。
というわけで、「無用な緊張を強いられない重さ」を第一条件にいろいろ品定めした末に、次の愛機はBuellとなり、X-Elevenは下取られていったのです。
さすがにHONDA社のトップモデル、下取り価格もとても良かった。