やがて妙に狭いトンネルも現れます。
 看板では、「このトンネルはすれ違いできません。避難所をご利用ください」って‥?
 トンネルに入ると、中ほどには対向車とすれ違うための避難帯がありました。
(画像左側のくぼ地がそれ→)
 対向車は、僕を確認しても突っ込んで来ますので、よーいドンで、早く避難所に着いたほうが避難所で待つ、というルールのようです。(笑)
 このあたりまで来ると民家も途絶えて、行き交う車も、中部電力のダム関係者の車だけ。
 あちこちに「放流時のサイレンにご注意ください」という看板も見かけます。
 進むにつれて川巾は狭くなり、あたりも渓谷に変わってゆきます。(→)
 この直後に、僕としては珍しく、道に迷いました。
 本来はダムのわきを入ってゆくところを、道を誤って、流れに沿って直進。
 そのため支流の奥深くで、迷子になってしまいました。
 こういうときでも登山と違って命の危険はありませんが、それでも前も後ろも同じような原生林のなかですから、冷静に行動する必要はあります。
 TVドラマの主人公ではありませんが「落ち着け落ち着け‥」と自分に言い聞かせて、周囲の景色についさっき見かけた点がないか、記憶を辿る走行が続きます。
 30分ほど森の中を行き戻りしたのちに、もとのダムに戻ってくることができました。
 かっこ悪い。
 でもおやじですから、“旅もダンディにスマートに”ではなく、見苦しくヒイヒイ言いながら、アクシデントをバイタリティに変えてゆかないとね。
 単車で旅に出た意味がありません。 
 正しいルートを進むと、道巾こそやや狭いものの、路面は良く整備されています。
 さあて、安心して旅の再開です。

 やがて道路の左右から、手つかずの原生林が立ちはだかるように迫ってきます。
 そして正面には大きなスノーシェッドが現れます。
 側面には「ようこそ明神峡へ」と書かれています。
 スノーシェッドの屋根からは湧水が流れ落ちて、まるで滝の下を通過するようでした。
 ダイナミックな演出で、まるで映画の「ジュラシック・パーク」のようです。
←こうして天竜川の秘境・明神峡に到着しました。
  
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