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 駐車場に戻ってみると、左右に停めた軽自動車の男性が、愛機を挟んで会話中。
 どっちの車体にも社名が書いてあるので、営業車(外回り)のようです。
男性A「じゃあさ、おれはアッチ回るから。お前はいったん社にもどってさ」
男性B「了解。じゃ、あとでね」 
 2台とも、走り去ってゆきました。
 「万福」は、こんな心優しい荒くれ男どものお店です。
 
 僕のほうは東名・大井松田ICに出ると、自宅に向かいました。
 シーズンオフで身体がなまっているので、一般道を走っているとき、左手(クラッチが重い)にハリが出てちょっと辛かった。
 シーズンに入った最初のツーリングでは、いつも感じることです。
 そしてシーズンまっただ中には、いつも忘れてしまう出来事でもあります。
 帰宅したとき、時刻は13:30。
 総走行は128kmでした。
 
 思えば2011年(平成23年)の冬は、寒がりの僕にとっては本当に長かった。
 なんでもこの冬は、平成になってから一番寒い冬だったようです。
 さぁ、その冬にもなんとか別れを告げて、春めいてゆくことを祈った紀行でした。
小道が農家の庭先を回り込むところに来ると、道の真ん中でエプロン姿のおばちゃんが軽自動車を洗車していました。
僕を見て、あわてるおばちゃん。
ホースの水を出しっぱなしのまま、軽自動車をガレージに戻してくれます。
偶然、道の向こう側からも、どこかの軽トラックが現れます。
愛機をはじによせて、通過を待つ僕。
軽トラックのおじいちゃんが、朗らかに会釈して、走り去ります。
軽自動車のおばちゃんも笑顔で「お待たせしましたね。お気をつけて」と僕を見送ってくれました。
優しい陽射しのなかの、道の譲り合い。
この小道では、こんなエピソードが何度となく繰り返されるのでしょう。
 
 さぁて、春を確かめたあとは、お昼ごはんです。
 11:40に、「盛りが多くて美味しい」と、かえるさんお薦めの定食屋へ到着しました。
 お店は御殿場線「開成」駅の、ひとつ北側の路地。
 店舗は長屋ふうの木造建物で、率直に言ってボロっちい。
 “とび込み”で訪れるには勇気が要る外観です。
 駐車しようと思って、駐車スペースに「万福専用」の表示を探すと…このあたりって、ぜんぶ「万福専用」じゃない!(笑)
 そうしている間にも次々と車が入ってきて、皆さんノレンをくぐっていきます。
 広い店内は女性客も2人ほどおられましたが、おおむね壮年男性で満席。
 皆さん仕事の途中の昼メシという感じで、その光景に、思わず忌野 清志郎(ロック歌手)の「パパの歌」(1991年・某建設会社のCMソング)を思い出してしまいました。
 僕はカウンターに陣取ると、野菜炒め(¥510-)+ライスセット(¥240-)+餃子
(水曜日だけサービスで¥100-)をオーダーしました。
 出てきた大皿の野菜炒めは、もやしが細もやしなのが特徴で、さらっと炒めてあります。
 一口食べると… 美味しい。
 クリスピーな細もやしの食感が水っぽくなく、さいごまで飽きずに食べられます。
 餃子も餡がぎっしりで、家庭料理のようなあっさりした味付けです。
 ボリュームも1.7人前くらいとちょうど良く、食べきれないかも?というプレッシャーもなく、お満いっぱいになる量です。
 ¥850-で、この満腹感は嬉しい。
  
「万福(まんぷく)」
足柄上郡開成町吉田島1583
0465-83-5020
餃子は、水曜日だけ¥100-。
通常は¥320-のようです。