序盤の南アルプス公園線は、藁科川沿いを進む、気持ちのいいBack-Road。(→)
雲がもくもくとしてきた。
勾配はまだ緩やかで、険しいところはありません。
時おりダンプ・カーとすれ違います。
沿道には「この先、大型車両は井川ダムには抜けられません」って注意看板もあるんですが、どうしてダンプ・カーが下りてくるの?
どこからの帰りなんだろう?
あんな大きなダンプ・カー、道路が狭くなっても大丈夫なのかな?
ともあれ見通しが効かないコーナーが続くので、対向車に注意して進みます。
だんだんと、川の水面から高いところを走ります。
気がつくと、路面からはセンターラインが消えています。
道幅も狭くなって、交互通行をしなければならない箇所も。
路面も荒れていて、舗装の凸凹が目立ちます。
未補修の穴に昨日の雨がたまって水たまりとなり、そこを通過すると威勢よく水しぶきをあげます。
撮影をするので、停車。
聞こえるのは、愛機のエンジンの鼓動だけ。
後ろを振り返ると、いま走ってきた道が、山のひだの間を縫うようにくねっています。
周囲の草いきれと、水しぶきが立てた埃の匂いとが、ヘルメットのなかに届きます。
けだるく眠くなるような、中南米を思わせる昼下がり。
2011年のときは県道189号線・三峰落合線で登ったのですが、あのときと同じに、この南アルプス公園線も「秘境」です。
山深さがものすごい。
また三峰落合線は落石が多かったけれど、今回は落石は無い代わりに、路面の状態が悪い。
舗装は常にうねっていますし、未補修の穴も多い。
この画像でも、愛機の後ろの路肩が窪んでいるのが分かるでしょうか。
集落と集落とをつなぐ生命線ともいえるこういう山道ですが、過疎化や地方自治体の予算のひっ迫もあって、補修が追いつかないのでしょう。
でも静岡側から北上する山道は、どこも密林を突き進むところが中南米のようで、他ではちょっと味わえない独特の魅力があります。
これからもなんとか維持して欲しいものです。