五色の湯旅館を出ると、この日初めてライダーと会いました。
 長野ナンバーの、赤いCBR600R氏。
 この松川渓谷を、軽く往復しているようでした。
 「この先、笠ヶ岳は通行止めでしたよ」と親切に教えていただきました。
 せっかくなので、彼に一枚撮っていただきました。
 後ろの山と山の割れめに松川が流れ、道路もこの割れめに沿っています。
 渓谷の巾がいかに狭いか、この写真でもお分かりいただけると思う。
 右側の山は、まるで織物みたいな色彩です。

 このあと笠ヶ岳の手前にある山田牧場まで行って、Uターンして、もと来た道を戻ることにしました。
 道は渓谷とお別れして、山奥へ。
 ヘアピンカーヴをひとつ、またひとつと通過してゆきます。
 いままで対岸に広がっていた紅葉は、こんどは頭上を覆うようになります。
 登るにつれて、紅葉はだいだい色から赤が増えてきます。
 展望台からは、美しい稜線も臨むことができました(下)
 方角からすればたぶん北アルプスのつらなりで、鹿島槍、爺ヶ岳、五竜岳、白馬三山あたりだと思いますが、ここからだと須坂や大町ごしに見ていることになります。
 これだけきれいに見えるのは、空気が澄んでいるから。
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←かくして予定どおり、山田牧場の玄関口に到着。
 旅の終点で出迎えてくれたのは、ひときわ赤く色づいた紅葉。 
 話しは横道にそれますが、このあたりは1969年の笠ヶ岳大崩落で、大きな被害を受けたそうです。
 以前は数多くあった温泉旅館も、さっきの五色の湯旅館だけが再建することができて、あとは廃業。
 また牧場から笠ヶ岳を抜けて志賀草津道路(国道292号線)に出る道も、整備計画がとん挫して、悪路のままになっているそうです。