こんどは県道39号線で妙高山の北側に進み、赤倉温泉へと向かいます。
 赤倉温泉は江戸時代に開湯し、その後藩営となった歴史のある温泉で、現代は妙高スキーの拠点となるところです。
 訪れた赤倉温泉は、急勾配に民宿が密集する小さな温泉街。
 シーズンオフらしく、そこここの民宿で建物の補修をしていました。
 「滝の湯」は温泉街の一番上、坂道が突き当たるてっぺんにありました。
 画像では分かり辛いですが、建物は半屋外というか、外廊下から直接脱衣所に入るところはプールみたい。
 塗装も鉄筋コンクリートに防水塗装をぶ厚く塗ったもので、まるでプールです。
 実際に温水のウォータースライダーも併設されていました。
 案内書きのペンキ文字も年季が入っているというか、全体的にさびれた雰囲気があります。
 脱衣所で裸になると、露天風呂に。
 露天風呂は巨岩を積み上げた大きな岩風呂で、向こう岸に渡るとベンチもある立派な造り。
 岩の上から、源泉が滝のように音をたてて注ぎこまれています。
 先客は70代とおぼしき、山男三人組。
 大笑いして裸でじゃれあっている皆さんに軽く会釈して、身体を軽く清めると、僕もすっ裸で浴槽に。
 浴槽は意外に深さがあり、しっかり首まで浸かります。
 お湯は熱めで、透明のなかに白い湯の花がいっぱい浮いていて、少し白濁して見えるほど。
 泉質はカルシウム・ナトリウム・マグネシウム−硫酸塩・炭酸水素塩泉。
 つまり塩泉と炭酸泉、二つの効能を持つ贅沢なお湯です。
 肌あたりはさらったしたなかに、何とも言えない鮮度を感じるもので、昔から切傷に効くという定評にもうなずけるものがあります。
 頭の上に飛び交うシオカラトンボにお湯をかけて遊ぶ。
 さすがにトンボ、まったくヒットしません。
 向こう岸は浅瀬になっていて、陽射しを浴びて寝湯を楽しみます。
 風呂からあがるときに、おじいちゃん達はまだじゃれあっていました。
 その姿に微苦笑しながら、また旅支度。
 風呂あがりは身体も軽く、肌もじんわりとします。
 というわけで、設備が古いのは気になりますが、露天風呂は大きくて快適。
 何よりもお湯の良さは本物です。
「赤倉温泉・滝の湯」 入浴料¥500-
新潟県妙高市赤倉 0255-87-2958
 温泉を発つと、山麓をまわって下山することにしました。
 温泉の横っちょからR396(右)に入り、妙高山の東麓を巡ります。
 妙高はこの数年山崩れが続いており、復旧してもまた次の大雨で崩れるの繰り返し。
 実を言うと、この日も赤倉から燕温泉までは通行止めだったのです。
 でもこの山麓だって、冒険心をかき立てられるルートでした。
 起伏が少なく走り易いものの、ガードレールがあるところが少なく、スリリングなカーヴが続きます。
 午前中とは違った角度から見る妙高山は、とても尖っていてまるで違う山のよう。
 そして妙高の景勝地、大滝と出合います。
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