(3)飛鳥から港ヨコハマへ連れてきた、アウトロー風なモビリティ
こうして奈良で普通自二免許(400ccまで)を取得しましたので、98年にEliminatorからSuzukiのDesperado(デスペラード)Xという400ccに乗り換えました。
クルーザーですが、より厳密に言えばデザインはドラッガー(DragRacer→ Dragger)というカデゴリー。
米国で流行った、HARLEY-DAVIDSONに倒立フォークや風防を装備するカスタマイズと同じ流儀です。
Suzukiが作ったファクトリーカスタムという商品でした。
アメリカンバイクというジャンルがすたれ始めた末期にリリースされたので、販売も不芳で「珍車」の部類でした。
赤髭(レッドバロン)・橿原店で一目惚れして、新車で購入。
バイクカバーをサービスで貰ったことを記憶しています。
さて外見に惚れこんだDesperado/Xですが、操縦する悦びは少ない車種でした。
このDesperado、エンジン特性がトルク型ではなく、また絶対的に出力不足な感がありました。
これだけ長い車体、特にこの太い前輪をステアして敏捷に走り回るには、排気量も1,200ccは要るのではないでしょうか。
ただし軸距が長いおかげで、直線性は素晴らしかった。背をかがめて、風圧で震える風防ごしに前を見ていると、レシプロ戦闘機のような雰囲気がありました。宮崎駿のアニメに出てくる複葉機のテイストです。
また自動車と伍して走れましたので、ようやく飛鳥大和路を巡ることもできました。
購入後しばらくして、神奈川に戻るときも、赤髭に頼んで連れて帰りました。
奈良の、垂仁天皇菅原伏見東陵に行ったときの1枚。 このころは古墳巡りに凝っていました。
土曜日の早朝に出て、子供たちが学校から帰ってくる昼どきには戻ったものです。
この画像で思い出すのは、撮影中に空を仰ぐと白鷺が飛んでいて、「市街地にもあんなに大きい鳥がいるんだー。」と驚いたのですが、この撮影直後に単車のわきに降りてきて、朝ごはん(池の蛙)を採りはじめたことでした。
そんなドラマチックなハプニングをなぜ撮っていないかといいますと、白鷺が怖かったんですね。(笑)
自分の背丈と同じ鳥の鋭いクチバシを、間近かで見ると怖いですよー。
ヘルメットを被っていたら撮れていたかもしれないけれど‥
ごらんのとおり、ヘルメットは愛機のステアリングバーに掛けてあります。
このDesperado、排気管の取り回しなどは実に凝っていて、いま見ても量産車とは思えないほどです。
また海賊船みたいな外見。
骨をクロスさせたドクロのマークが似合いそうです。
欧州でけっこう人気があったようですが、この黒とクロームの車体を見ると、なんとなくうなづけます。
ちなみにこの塗装、はっきり言って質は良くなかった。
33馬力、車重204kg。
燃料タンク13L、燃費は18km/L。
社宅の敷地内では、小さいお子さんを配慮してエンジンをかけずに押しましたが、敷地が緩く傾斜していて、実に重かったことを記憶しています。