さて国道17号線・那須ボルケーノハイウェイを登ってゆくと、那須湯本の温泉街に到着。
狭い温泉街の突き当りが、有名な史跡「殺生石」
殺生石というのは、亜硫酸ガスがたえず噴出して、昔から「鳥獣がこれに近づけばその命を奪う、殺生の石」として知られている源泉地。
目的の「鹿の湯」は、このあたりなんですが…
観光案内所で、温泉の場所を尋ねました。
案内所のお嬢さんによると、目のまえの橋のたもと、だそうです。
以前から何度となく通過しているところですが、こうして案内されてみて、あぁあの木造建物かと合点がゆきました。
嬉しいことに 50円引きの前売り入浴券を売ってくれました。
←橋のたもとから、石畳を模した導入路を下りてゆきます。
あたりは整備されていて、公園のようにきれい。
近年改修されたようです。
湯気の立つ小川に沿ってゆくと、駐車場に到着。
ヘルメットを脱いで、驚きました。
「フィフィフィフィフィフィ、フィーフィー」と高く澄んだ声が!
カジカガエルの鳴き声です。
それも今までに聞いたことのないような大音量の合唱。
いったい何十匹が鳴いたら、こういう音量になるんでしょうか。
あまりの音量の大きさに、人工音(BGM)かと思って屋外スピーカーを探してしまったほどです。
カジカガエルの合唱に驚きながら、「鹿の湯」へ。(右)
ここは開湯が西暦600年代という、歴史のある温泉。
画像に見える玄関は、大正時代の建築です。
玄関で入浴料を支払うと、渡り廊下で川を渡って、対岸の湯屋造りに進みます。
地元の常連客が多く、皆さん脱衣所に直行しています。
浴室は板張りで、その床に6つの浴槽が切られています。
浴槽は手前から奥へと向かって、お湯が41、42、43、44、46、48度と熱くなる。
そして46、48度は、高温なのでいきなり入らないよう注意書き。
「那須温泉 元湯・鹿の湯」
入浴料¥400-
0287-76-3098
栃木県那須町湯本181
かぶり湯で軽く身体を清めると、まず41度に入る。
お湯は白濁した硫黄泉で、イオウ臭も強め。
泉質は酸性・含硫黄-カルシウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)で、成分が濃い。
見ていると常連客らしきおっちゃんは、かぶり湯をするといきなり46度に入ってゆく。
僕も41度から42度へ、そして43度へと移るにつれ熱くなってきた。
帰り支度をするときも、「フィーフィー」とカジカガエルの合唱がうるさいほど。
産卵の季節だから鳴くのか?
あるいはこれから雨が降るから鳴くのかな?
…後者じゃないと良いけれど。
ともあれ風呂あがりはぽかぽかして、肌もさらっとして実に気持ちいい。
さすがに名湯である。
ぜひ鹿の湯のホームページをご覧いただきたい。
文句なくお薦めする。
しかし面白いもので、身体が慣れてくると、次の44度がちょうど良くなる。
天井を見上げると、渋い色合いの木組み。
熱いお湯に、快感のため息が出る。
肌あたりを確かめると、さらりとしている。
なお試しに46度に手を沈めてみたが、さすがに刺すように熱かった。
いきなり入浴した先ほどのおっちゃんも、真っ赤な裸体でスノコの上でへたりこんでいる。