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 さて僕も入浴セットを持って橋を渡ります。
 小屋では受付のおばちゃんが朗らかに迎えてくれました。
おばちゃん「手前は深いから、気をつけて入ってくださいね」
 崖に囲まれた岩風呂。
 嬉しいことに、たいへん清潔感があります。
 そして澄んだお湯が底からぼこぼこと湧き出て、溢れて地面の溝から川にかけ流されています。
 しかしこの湧出量はすごいな…
 昨晩の雨にもかかわらず、お湯には濁りひとつありません。
 先客は、恰幅のいいおじいさんが一人。
 画像に写らない左端で、恍惚としておられました。
おじいさん「いらっしゃ〜い。どうぞ遠慮なく入ってくだされ」 
 さっそく僕も軽く身体を清めると、水深が深いという注意も受けたので、慎重に身体を沈めてゆく。 
僕「熱い」
おじいさん「そうでしょう?。ほんとにここはいい湯だぁ」
 温度は45度くらいだろうか、お湯の新鮮さが素晴らしい。
 泉質は適温炭酸泉(カルシウム、ナトリウム-硫酸塩温泉)。
 わずかに甘い匂いがあり、肌あたりはさらりとしています。
 風呂あがりは肌がしっとりして、ちょうどいい具合の温浴感もある。
 古くから「化粧の湯」として知られただけのことはあります。
 アクセスに苦労もなく秘湯の気分に浸れること+清潔な露天風呂+驚くほど豊富な湧出量+お湯もいい=誰もが笑顔になる素晴らしい温泉でした。
 きのうの蓮台寺温泉も名湯でしたが、こうしてまた、新たな名湯に巡り合えて満足満足。
 温泉を発つといったん松崎の街に戻って、松崎からは西伊豆の海岸線を走って戻ることにしました。
 そうなるとお昼ごはんは松崎でということになります。
 あちこち迷うのも面倒だったので、また「地魚料理・さくら」にお世話になることにしました。
 奇しくも座ったところは、カウンターの、昨日と同じ席。
僕「きょうは『磯めん』をお願いします」
おかみさんA「はいはい、磯めんね」
おかみさんB「あらっ?」
おかみさんA「そうよ。この人きのう、かつお茶漬けを食べてくれた人よ」
 これが「磯めん(¥810-)」
 海藻を練り込んだ細うどんで、上にもふのりがのっています。
 この店の名物で、いただくのは4年ぶり。
 隣のおじさんは暖かいバージョンを食べていましたが、特に注文しない限りはつけうどんになるようです。
 他の定食と同じく、磯めんにも明日葉の天ぷらと、食べ放題の寒天が付きます。
 ではと… 麺をひと箸たぐり、汁につけて、すする。
 美味しい。
 滋味豊かというか、さっぱりとした中にもメカブや茎わかめに似た旨味が口いっぱいに広がります。
 この日も、西伊豆の恵みに舌鼓を打ちます。