奥鬼怒林道は記憶どおり、いや記憶していたよりもずっと険しい道です。
 繁茂する枝に当たらぬよう、頭を下げて走ります。
 舗装は荒れて、ところどころ穴が開いている。
 落石にも注意が必要で、実際、洗面器大の石がいくつか落ちていました。
 暗い木陰では、目を凝らして路面を見ていないと危ない。
 でも周囲から聞こえる森の音に和まされます。
 それはモリアオガエルやカジカガエルの合唱。
 カエルたちの産卵の時期なんでしょうね。
(左)やがて崖を走る箇所に、素掘りのトンネルが現れます。
 あれっ? 岩をくり抜いてセメントを吹きつけただけのはず?
 トンネルは立派なセメント造りになっていました。
 でも狭いところは以前と同じで、クルマ一台がやっとの穴。
 こんなトンネルが、3本も続く難所です。
 トンネルを過ぎても道は険しく、いいかげん飽きてきます。
 奥鬼怒林道って、こんなにタフの道だったんだ…
 この9年間で変わったのは林道か、あるいは僕か。
 林道は、基本的には変わっていないでしょうね。
 じゃあ変わったのは僕のほうか…
 いやぁ僕だって、あいかわらず、だぞ?
 思い当たる変化は、愛機を乗り換えたことです。
 こういうアップダウンの激しい道は、54kgも軽かったBuellは得意だったはずで、NC700Xではタフに感じるんでしょう。
 と、いうことにしておこう。
 こうして果てしなく続くかと思われた林道も終わり、県道23号線との交差点に到着します。
 時計を見ると、光徳牧場からちょうど1時間が経っています。
 あらためて、奥鬼怒林道は立派な秘境道でした。
 さて次は県道23号線で川治に向かいます。
(左)まずは、熊肉を出すことで有名な「またぎの里」の前を通過。
 熊は食べたことはなく食べたいとも思いませんが、この店のメニュウには常時「熊丼」というのがあるらしい。
 ご興味のある御仁はどうぞ。
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