映画とは別の、僕の角間温泉(後編)
2014年10月8日(水) 快晴 現地気温11〜22度
朝のTVは、青色LEDのノーベル物理学賞授賞に湧いていました。
座席に降りた夜露を拭いて、7:40にホテルを出発。
小布施まで出ると、県道66号線で信州高山温泉郷に向かいます。
さすがに「りんごの里」、沿道にはりんごの実が鈴なりです。
りんごの木って低い位置で枝が広がっていて、収穫しやすいように枝が剪定されているんですねぇ。
また大きく育った木もなく、小ぶりの木に実がどっさりなっているのも面白い。
8:50には山田温泉の大湯に到着。
県道沿いのこの共同湯は、いままでに三度もその前を通過していますが、なぜか入浴する機会に恵まれませんでした。
やっと念願が叶います。
「山田温泉・大湯」入浴料¥300-
上高井郡高山村大字奥山田3580
026-242-2314
山田温泉も開湯して200年、与謝野晶子も愛したという由緒ある温泉です。
入母屋造り、唐破風の建物は、黒々と、かつ、威風堂々としていて、山に囲まれた温泉郷の中でひときわ目立つ。
浴室のほうも、たいへん凝った造り。
源泉は壁のといを伝って、檜の浴槽に注がれるようになっています。
また身体を清めようと蛇口を探すと、といにある木の栓を抜いて、お湯を出すようになっています。
こういう遊び心に満ちた共同湯は初めて。
お湯は熱めで、僕好み。
でも一般的には “がまんして浸かる” 熱さです。
ほの暗い中で透明なお湯をたぐると、外光のなかで糸くずのような湯の花が踊ります。
泉質は含硫黄/ナトリウム・カルシウム/塩化物泉。
さらりとした肌あたりで、わずかなキシキシ感。
風呂あがりに脱衣所でくつろいでいると、地元のおっちゃんが入ってきて話しかけてくれました。
おっちゃん「きょうはどうでした?先週は熱すぎて、入らずに出てきちゃったよ」
僕「熱めが好きなので、ちょうど良かったですね」
身支度を終えてから、あらためて浴室に声をかけると「きょうはちょうどいい温度ですわぁ〜」という声が返ってきました。
源泉の温度は、毎日違うようですな。
外に出ると、庭のベンチでひと休み。
肌からイオウの甘い香りがして、快感です。
いっぽうコリがとれた感じこそあれ、ぽかぽかした温浴感は意外に残りません。
肌寒いこの季節よりも、夏向きの温泉かもしれません。
いずれにせよこの入浴料で、これだけの情緒を楽しめる温泉も珍しい。
文句なくお薦めします。
紅葉の名所「高井橋」は、まだ色づいてはいませんでした。